『皆が見てる空は、どんな色をしてるんだろう?
赤色?黄色?それとも青色?』
『じゃあ、猫ちゃんは何色?
緑色?紫色?はたまた黒色?』
『じゃあじゃあ、君は何色?
白色?茶色?それか、肌色?』
『それなら…『色』って、何色?』
これは、誰のお話だと思う?異世界?宇宙人?
違う違う。これは、ある人間の女の子のお話。
この女の子は、生まれた頃から目が見えていない。
色というものを知らないし、小さい物の形はわかっても、その手におさまりきらない物の形もわからない。
僕たちが使っている、一般で言う「日本語」と言うものも、言葉がわかっていても、字はわからない。
とまぁ、こんなふうに、自分が普通だと思っていることも、普通じゃない人もいる。
その子は、これからどんな人生を歩むんだろう。どうか、その子の思う幸せに、たどり着いてほしい。
さて、みんなは、この女の子の物語を読んで、なんて思った?
可哀想…。辛いなぁ…。
そんなふうに、思わなかった?
この女の子は、そんなふうに同情されるのが、何よりも嫌いなんだ。
目が見えないのも、どちらかの手がなくても、片足がなくても、このように哀れみの目を向けられるのは、大っ嫌い。
正しくは、哀れみの目を向けるだけで、手を貸すこともしない人のことかな。
どこかが自分と違っても、それは個性であって、決して可哀想なものではない。
可哀想、そう思うから、その違いが可哀想なものに変わってしまう。
人間の個性も、この世界のように、色とりどりなんだ。
その、相手の色を尊重して助け合えば、この世界は優しい世界になるのに。もっと、もーっと、綺麗な色が、世界に広がるのになぁ。
1/8/2024, 10:29:13 AM