蓼 つづみ

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私が触れているのは、
見たことのない光だ。

あるかどうかを
証明できないまま、
それでも、
暗闇だけではなかったと
まだ言葉には出来ない。

人が「誰も信じられない」と言うとき、
その言葉の奥に、
かつて信じて、
傷ついた夜が
横たわっている気がする。

まだ消えていないものが、
そこにあるから、
そんな言い方をするのだと
思ってしまう。

私は、
誰かに期待を寄せることはしない。

ひとの本質は多面的で、
流動的だと思うから。

ただ、
人柄を静かに見ている時間が、
いつまでも消えずに
残ることはある。

「信じられない」とも、
「信じたい」とも、
言わない。

どちらの言葉も、
夜を
少しだけ照らしすぎる気がして。

私はまだ、
見ていない光のそばにいる。

題 雪明かりの夜

12/26/2025, 10:07:54 PM