【お題:永遠に】
永遠の幸せ 永遠の思い
かたちのないもの、
曖昧なものだが
その手にずっと
留めておきたいものに
人は 永遠を願う
中島らもの
「永遠も半ばを過ぎて」
という、
タイトルを目にしたとき
その秀逸さに目をみはった
言葉のイメージは美しく
音のリズムは心地よい
そしてなによりも
想像をかきたてる
永遠は
終わりがなく
果てのない状態で
長さも
はかりようがないのに
半ばを過ぎて
という矛盾が面白い
また いっぽうで
こうも想像してしまう
どこか永遠や万能を信じ
夢を見られた
幼い時代や
若いころは遠く過ぎ去り
いつしか
永遠も万能も
その力が及ぶ先の
果てが見え始める
それを 諦めのような
悟ったような思いで
残りの人生、
自分の行く末を見つめている
そんな趣があって
魅きつけられる
永遠は一見
甘美なようだが
変わらない状態のまま
果てしなく
そこに押し留め
縛り付けることでもある
自分が推測しうる
嫌なことが起きない代わりに
想像もしなかった
幸運や幸せに
巡り会うこともない
苦しみがないにしても
やさしい牢獄、
とでも言いたくなるような
身動きのとれなさ
おそろしさも感じられ
どこか落ち着かない
リセットのない世界ほど
怖いものは
ないのではないだろうか
11/2/2023, 12:07:01 AM