孤月雪華

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【やりたいこと】

 
「よし、今日こそ執筆に励むか」


 万年アマチュア作家の大学生である僕は、意気揚々としながら土曜日の朝を過ごしていた。

 普段は何かと忙しい大学生活の中で、夜の時間を活用しながら地道に執筆。

 投稿サイトに投稿するも、期待虚しく撃沈。誰にも読まれず。
 とはいえ三十話近くまで書き上げた小説を今更やめるわけにもいかないし、完結するにも話がまだまだ足りない。

 もしかしたら、完結させたらバズるかもしれない。
 そんな淡い期待を、ゼロに等しい可能性を求めて己の欲求に従い、執筆を続けるのはもはや才能だろう。
 そう信じたい。

 土日で一気に書き上げる。
 これはいつも僕が思うことだ。
 休みの日ならたくさん書ける。たくさん書いて場数を踏んで、ヒット作を生み出してみせる。

「全然筆が進まん」

 だが、平日よりも休みの日方が筆は進まず、書いた文字数が圧倒的に少ないのはもはやテロであろう。
 僕はやはり追い詰められていないと、書けない。
 時間があればあるほど怠けるし、結局その時間を有効に使うことができない。

 今回も土日をだらけて過ごした。
 気がつけば月曜日。

 時間がない。
 土日に書き溜めておけばよかったな。
 その繰り返しだ。

6/10/2024, 3:38:41 PM