星乃威月

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「はじめまして 妖精さん
あなたのお名前は 何ですか?」


目の前に 突然現れた妖精

姿は真っ白で 景色が透けて見えた

小さな羽を必死に羽ばたかせ ヒョコヒョコと動いている


何か ジェスチャーをしてるようだ

必死さは伝わってくるが 何を伝えてるのか 分からない


「ごめんなさい 妖精さん
私には あなたが何を伝えてるのか 分からなくて……」


それでも 何かを必死に伝えてる妖精──


どうしよう……



未知との遭遇 初めての体験

他に相談できる人もいなくて……

困りに困った挙げ句


「ごめんなさい 妖精さん
私には 力になれそうにないわ
どこかで 他の人の手を借りてちょうだい」


窓の外へと 妖精を移動させようとした

が 触れる前に 手をすり抜けた


何かの間違いかと思い 目を疑った

触れた感触は どこにもない


それでも尚 妖精は 必死に何かを伝えている

困り果てた私──


「今夜はもう遅いし…… とりあえず 寝ましょうか」


妖精に語りかけ 部屋の明かりを消し ベッドに潜り込んだ



暗闇の中を 泡白く光る 妖精

あっちへ こっちへ…… まるで 雪が踊ってるよう


妖精って 寝ないのかな……


ボーッと眺めてる内に いつしか眠りに落ちていた



──翌朝

あれは 夢だったのだろうか?

どこを見渡しても 白くて小さな姿はない


消えちゃったのかな……

ヤバい! ボーッとしてられない!!


いつも通り 支度を終え 学校に向かう



今日から4月 クラス替えの日

朝から晴天の空──


何かいい事 ありそうな気がした




ーはじめましてー

4/1/2025, 10:57:32 AM