冬至。

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いつの間にか君の視線は彼女に釘付けで。
彼女を見つめる君をぼくは見つめてた。
「なにぼーっとしてるんだよ、おはよ!」
アイツを見つめてたら後ろから首を軽く閉められながら挨拶される。
「別に何も見てないよ」
なんでもないように笑ってアイツから視線をそっと外す。
それから他愛もない話しをしながらアイツの元へ合流する。
「おはよー!」
ぼくの肩に回されてた手は次のターゲットに向かって走り抜けていく。
そのまま戯れる彼らを少し離れた場所から眺めてると、ぼくに気付いた彼がにっこり笑って名前を呼んだ。
「おはよ」
その後に続いた挨拶に同じ言葉で返して隣りに並ぶ。
いつもと変わらないその笑い方、仕掛けてくるプロレス技、戯れるその手。
すべてが変わらないのに。
数日前、アイツはぼくにこう告げた。
「好きな子が出来たかもしれない」
少し照れたように俯き加減にポツリと漏らしたアイツの言葉の意味を理解するのに時間が掛かった。
どうやら委員会で知り合ったその子に恋をしたようだと。
すべてが変わらない君なのに彼女の前ではぼくの知らない君になる。
何だか困惑してしまってそしてなぜ困惑するのか自分の気持ちが分からなくてただただ見つめるしかなくて。
程なく観察していて気付いてしまった。
アイツへの気持ちに。
それからぼくは、その気持ちに蓋をする事にした。
君にはいつだって笑っていて欲しいから。
秘め事にしていれば100年だって続けられる。


ねぇ、恋ってなに?


                (大好きな君に)

3/5/2026, 9:37:15 AM