記憶は時に、栄養となり、毒となる。
「寝る前に嫌なことがフラッシュバックするのは、なんなんだろうね」
「多分、その時傷ついた部分が、後になって痛みとしてやってきてるんじゃない?」
「時差が発生してるのね」
「ただの憶測だけれどね」
「もう、嫌な事なんか忘れて、嬉しかったことだけ覚えていたいな」
「多分、嫌な記憶も、量を間違えなければ栄養になるんだと思うの。致死量を摂取してしまったら、体中に毒が回ってしまうけれど」
「その一つ一つが、猛毒性が高かったら?」
「その人の耐性によるけれど、ほとんどの人は、毒にやられてしまうかもね」
記憶という毒は、表に現れず、ゆっくりと体を蝕んでいく。
3/25/2025, 12:37:00 PM