ドドド

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    言葉はいらない、ただ・・・

抱きしめて欲しかった、俯いて待っていた。

自ら行けない弱さを呪った。



地方都市なんてコトバがある以上
同仕様もないほど人工が減り
高齢化で財政を食い潰すだけの集落もある。

そんな所に限って
健康を謳って寿命を延ばす取り組みが盛んだ。

私はコレを緩やかな自殺と呼んでいる
が、税金で賄われてる以上
行かないと損なので利用をする事にした。

そして癌です。


ステージがどうとか
何処そこに転移とか
全く耳に入っては来なかったが
余命半年の部分だけははっきりと聞こえた。

家族を呼び、再度説明を受ける中
目に見えて落ち込む両親を見て
可哀想だなって思った。

本当にそうとしか思えなかった。


どうして、助かるの?手術は?

私が聞かなくちゃいけないことは
全部両親が聞いてくれたが
最終的に助かる見込みもないのに
高額な医療を受ける気は無かった。


泣きながら、目の前で祈る母。
俯いて肩を震わす父。

謝る私。


最後にしたいことはないか
食べたいものがないか
色々話した後に帰っていった。

明日から自宅だが
今日だけ入院らしい。


なんだかな
改めて後少しですよ
と、云われると
案外何もでてこない物だ。


ただ、抱きしめて欲しかった。

最後までに言えると良いなぁ。



8/29/2024, 2:06:31 PM