17 8月、君に会いたい
『なぁ、れい 今日はどうする? 暑い中部活頑張ったし、アイスでも食おうぜ』
そう言ってコンビニに入る
「そうだね、活躍してたしご褒美としてちょっと高いの買ったら?」
『おい、金欠になるって でも買っちゃおうかなぁ』
「いいじゃん ほら、ハーゲン〇ッツがこっちを見てるよ?」
『えぇでもなぁ、、、、期間限定あるじゃん やっぱり買お』
「ふたつあるけどどっちにするの?」
『どっちにしようかなぁ、両方捨てがたいぃ』
「じゃあ、僕がこっち買うから、そっち買って 半分こしよ?」
『え、良いのか? じゃあお言葉に甘えてぇ』
俺はルンルンでレジに向かいアイスをふたつ買う
『じゃああっちで食べようぜ』
「そうだね」
『あぁ、美味しいよ れい』
アイスを食べながら呟く
「また来てるわ、あの子」
「大事な幼馴染を亡くしたんだってねぇ」
「亡くしてもまだその子と喋ってるらしいわよ」
「亡くなった子の幽霊でも見えてるのかねぇ」
通りすがりのご近所ママさんたちの会話が聞こえる
『あぁ、れい なんで、なんで俺を置いていったんだよ』
「君には生きてて欲しかったからね」
僕は涙をこらえて溶けかけのふたつのアイスを食べる
「でも、君がここに居てくれるから、寂しくないよ」
『当たり前だろ 俺のたった一人の親友なんだから』
れいは俺を庇って死んだ
せっかく買った高いアイスが溶けるのも気にせず俺は墓場で涙を流す
8/2/2025, 7:59:26 AM