空腹に目が覚めた。
鈴虫が鳴き、リンリンと小さな声が絶え間なく聞こえてくる。どうやらまだ陽は登っていないらしい。遮光カーテンの外はまだ薄暗いようだ。
時間は――嗚呼、まだ早い。でも、腹が減った。
寝返りを打ち、深呼吸をひとつ。ふたつ。みっつ。
ぼんやりと天井を見遣り、目を閉じる。
空腹よりも重い瞼が落ちてきて、感覚も泥沼に沈んでいくみたいだ。
おやすみ世界。ぼくはまだ夢の中にいたい。
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テーマ「夜明け前」
9/13/2024, 12:04:53 PM