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幼い日 車窓の景色が流れても
ずっとついてくる月
「お月さまはわたしのこと好きなのかしら」

若い悩みに押し潰されそうな時
遠い月からわたしを眺めてみたら
「自分も 自分の悩みも塵ほどのもの」

悲しみや孤独に身をすくめて歩く夜
見上げた空に月を見つけて
「ありがとう 今夜もそこにいてくれて」

そして今 同じ月を見ているだろう
誰かを思い浮かべる時の
心のあたたかさ 

誕生の時から 地球とその上の生き物たちを
見つめ続けてきてくれたその存在の
頼もしさとなつかしさ




「月夜」

#38

3/7/2023, 11:19:00 AM