セピア

Open App

毎日できるだけ、前を向いて歩いた。
背筋を伸ばして、自分を奮い立たせて歩き続けた。
着実に、一歩でもよかった、強くなるために。

涙のせいで上を向くこともあった。
流れ落ちた涙が道を濡らしても、
気にせず、立ち止まらず、歩き続けた。
例え胸が張り裂けそうになっても、
この道を進み続けるために。

落ち込んで、下を向くこともあった。
いつもより歩幅が小さくたって、気にしなかった。
どれだけ遅くたっていい、歩き続けていくうちに、
きっといつか前を向けるのだから。

友と歩き、横を向いて歩くこともあった。
笑いあった日も、悲しみを分かちあった日も、
歩幅を合わせて、共に歩むために歩き続けた。
少しでいいのだ、優しい人になれるように。

後ろ髪を引かれ、振り返ることもあった。
でもその度に、振り積もった後悔が襲ってきて、
馬鹿みたいに耳を塞いで、歩き続けた。
どんなに後悔しても、また光を見つけられるように。

どこを見ていても、どんなときも、
結局前を向いて、歩けるように。

歩幅が狭くともいい。
無理だと思えば無理をしなくていい。
見たくなければ、聞きたくなければ、無視していい。

ただ、歩き続けるだけでいい。

いつか、立ち止まってしまったら、
また歩き出せるように、準備をすればいい。

言い訳しろ。
嘘をつけ。
自分を守れ。
逃げたっていい。

かっこ悪くなんかない。
それはいつか頑張った証に、勲章になる。

そして、また歩き出せ。


2024-09-19

9/19/2024, 8:33:55 AM