学生だった頃、僕はある選択について悩んでいた。その時、頭上に「君が道に迷った時は左を選べ」という言葉がハラリと降ってきたんだ。僕はその言葉を恩寵のひとひらかと信じたよ。
そしてそれ以来、決断を迫られるたびに、いつも左の道を選び続けた。
だけど、最近になって気づいたんだ。実は、僕が選びたいものを、自らの手でいつも左側に置いていたってことにね。
つまり、僕は最初から自分自身で決定をしていたというわけだ。
そう考えると恩寵でも何でもない。僕はただ自分が選んだ道を歩いていただけだったのさ。
「ひとひら」
4/13/2025, 2:14:28 PM