Open App

 
 潤んだ瞳で見つめられその中で青が揺れた。ふっくらした唇が艶めいてゴクリと喉を鳴らしてしまう。
 さっきだって堪能していたはずなんだ。でもどうしても足りない。満たされたくって深く差し入れては君が逃げられないように後頭部に手を添える。その間に服の隙間から手を忍ばせて、柔らかくほどよい弾力を楽しんだ。脱がさなくても少し乱れた姿は目を喜ばせ、くたりと力が抜けて浅く呼吸を繰り返す君をもっとも暴きたい、と。

 邪な熱はずっと主張し続けてひとつになりたいと訴える。俺も出来るものならそうしたい。一緒にと願うのに、これが夢だと知っている。その証拠に君の声が聞こえない、君の手が俺を撫でてはくれないんだ。感触だけは生々しいのに虚しくて、酒に酔ってこんな夢を見るなんて。

 俺に都合のよい夢なら『夢が醒めるまえに』存分に貪っても構わないだろ?
 乱暴にはしないけど性急に求めてたって。

 小さく聞こえた嬌声は記憶が補ったのか、それとも…

       
                       

3/20/2023, 10:40:16 PM