【とりとめもない話】
放課後の教室でぺらぺらと、毎日のようにくだらない会話を交わす。去年までは考えられなかったことだ。内容なんてほとんど知っている無意味な学校の授業を義務的に終えた後は、すぐに自宅に帰って書庫の本読みふける……それがずっと日常だったのに。
窓から差し込む夕日が、君の頬を橙色に染める。首を傾げた拍子にさらりと揺れる黒髪が美しい。無駄なものが大嫌いだった僕がこんな無駄な時間を愛していることを知ったなら、幼い頃の僕はどんな顔をするのだろう。だけど僕は今のこの無駄ばかりの僕のことが、意外と嫌いじゃないんだ。
君と交わすとりとめもない話に全身を浸している、その瞬間だけは。いつのまにか忘れてしまっていた本心からの笑顔を、浮かべていられる気がするから。
12/18/2023, 12:39:48 AM