何かおかしい。何か歯車が狂っている。そんな気がしていた。
雨上がりに、高い街路樹が立ち並ぶ道に行くと
たくさんの落ち葉が落ちていた。道全体が黄やオレンジ、赤の葉で敷き詰められている。地面のありとあらゆる何かを吸収したような、不思議な匂いがしている。
しっとりと濡れた葉を踏み締めながら歩く。木々に残った葉も、枝も水分をたっぷり含んでいて、ひんやりとした空気に包まれている。水分が音を吸収するのだろうか。とても静かだ。
何か調子が出ない。悪いほうばかりに焦点を合わせているからだろうか。違和感がある。
歩道を離れて、小さな林のほうへ行く。より一層、あの不思議な匂いに包まれて湿った木々の気配が強くなる。いつもの乾いた秋の景色が、違う表情を見せている。
ああ、そうか。やっぱりちょっとずれているのか。違う目線から見たら、この状況も変わっていくのかもしれない。
「落ち葉の道」
11/26/2025, 9:20:26 AM