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『君の瞳を見つめると』

 吸い込まれそうな瞳とは、きっとこのことを言うのだろう。君と出会って最初に抱いた感情はそれだった。東北の生まれだという君の瞳は薄青をしていて、それでも曾祖父母の代まで遡っても日本人だという。見た目は完全に日本人なのに、瞳だけが透き通るように青いのだ。そのアンバランスさが不思議な魅力を伴って、僕をまっすぐに見つめてくる。その虜になることは、さして難しいことでもなかった。
 君はその少し異質なアイデンティティを体現したように、シャイで謙虚で丁寧で、でも時々驚くほど大胆で。

4/7/2023, 8:48:24 AM