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『声が枯れるまで』

ニンゲンという動物の鳴き声は、なんと7139種類もあるらしい。

生まれた種族・地域によって異なる特徴を持ち、その全てを聞き分けるのは至難の業だ。

中でも特徴的なのは、ニンゲンは他の動物に見られるような求愛や威嚇のためだけでなく、音楽という文化のためにその鳴き声を巧みに使う。

音楽のために使う道具を楽器というらしいが、声はニンゲンにとって誰もが持っている最初の楽器であり、誰とも同じものがない自分だけの楽器なのだという。

中には、声だけを重ねて作る音楽もあるらしく、実に興味深い文化を持つ生物である。

あまり酷使させ過ぎると掠れていくようだが、その儚さももまた一興か。

では、今日も声が枯れるまで、歌ってもらうこととしよう。

10/21/2024, 10:34:14 AM