『突然の別れ』5/19
とある迷宮にて、
守護者を倒したら、迷宮の崩壊が始まった。
「ど、ど、どうしましょう、師匠!?」
「お前は、真っ直ぐ入り口まで走れ」
なるほど、逃げる。
なら全力でそうさせて貰います!
「師匠、そうと決まれば、、、って
そっちは、迷宮の深部ですよ!?」
師匠は方向音痴でしたっけ?
それとも、あれですか。
「、、、師匠。此処は任せて先に行け!
なんて、言ったら怒りますよ?」
「俺が、崩壊を何とかするから。
お前は、さっさと逃げろ」
言っちゃいましたか、怒るべきですか?
「、、、死んだら、後を追いますよ?
私、師匠に依存してるんですから」
「死なないさ、お前が一人前になるまではな」
はぁ~、なら、カッコつけてもらいますか。
無事に帰って来たら、
いっぱい褒めてあげましょう
「死んじゃ、ヤーですよ? 師匠♪」
──────────────────
弟子が、階段を登って行くのを見守って
俺は、深部へ向かおうとして、足を止める。
左手、薬指に違和感を感じると同時に
指輪が砕け散った。
階段を駆け上がる、嫌な予感がする。
さっきまで、笑っていたんだぞ?
見知った人が、胸を貫かれ倒れている。
たった、数秒の距離だったのに、、、
救えた筈の、距離だったのに、、、
目の前に、復讐の対象が立っている。
お前も、迷宮の守護者なのか?
「ッこんなの、あんまりじゃないか?」
5/19/2023, 11:33:55 AM