目を開くと私たちは海底に居た。
自分の周りには数えられない程の人たちが居て、何も考えずにひたすらに遊ぶ。
自分たちは遊んでいるとゆっくりと眩しい海面に向かって浮上していく。
しかし、いつの日か周りの人たちは明るい海面に向かってスイスイと泳ぎ始める。
自分も泳ごうと踠いてみるが、周りのように上手く泳ぐことができない。
段々と距離は離されていつの日か皆んなは手の届かない場所まで行っていた。
ふと周りを見渡してみる。
そこに人影はおらず、海面の明るさに目が慣れて周りが真っ暗闇、ただ自分だけが取り残されている様に感じる。
すると今まで普通に泳いでいた筈の海中がとても息苦しく感じて。
バタバタと腕を振っても海面には一向に近付かない。
もうこのまま誰にも気付かれることなく、暗闇の中で1人で溺れるんだって思ったら悲しいような、それでも良いような。
そう思いながら海面に手を伸ばしながら自分は目を閉じた。
5/14/2025, 12:10:59 PM