当時の私は、「ほら、早く行ってきな」と言われれば言われるほどに萎縮した。
ただ、そこのカウンターに愛想良く立っているお姉さんへ、小銭を差し出して「ソフトクリームください」と言うだけなのに。
足も手もぎこちなく、声は掠れて上手く出せない。
もはやソフトクリームが食べたいのか食べたくないのかもよく分からなくなっていたが、「食べずに帰る」ことが許されないことは分かっていた。
おそらく何とか注文はできたのだろうが、ソフトクリームの味は全く覚えていない。少し離れてにこにこ笑う祖母の、圧だけはずっと記憶に残っている。
1/27/2025, 10:45:24 PM