不整脈

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午後のバス停で
風が通り抜けた後、
あなたの腕に視線が止まった

日焼けも、
無防備な薄い絆創膏も、
あまりにも、あっけなく見えて

私は半袖を着ない
理由がないわけじゃない
ただ、それを口にするのは
ずっと、苦手だった

でもあなたは平気で
袖の短さに、心まで短くしたみたいに
「今日も暑いね」って笑った

夏が来るたびに
毎年くるくる袖を折り返して
何も知らずに、明るい様子で
私の沈黙をくすぐってきた

あなたの半袖は
何も隠されていなかった

私だけ。

───鉄の匂いが鼻を掠めた気がした

7/25/2025, 11:36:17 AM