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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十八話」

「えーと、コレで全部かな?」
志那は、エコバッグの中身を確認していました。
「全部そろってますわ」
「早く、シリウスさんに届けないとね。さー、帰るぞー!」
志那達は、スーパーを後にしました。
「何よー!?アンタの方が実力が上だって言うの?」
「貴方なんか、弱小グループの一員じゃない。無名と同等な」
「何だろう?あの人だかり」
帰り道を歩いている志那達は、人だかりを発見しました。
「何かあったんですか?」
由里は、野次馬の何人かに聞きました。
「何か、配信者同士のケンカらしいぞ」
「ついに、女同士でもケンカするご時世になったか…」
「戦争は嫌ーねぇ…」
志那達は、ケンカしている二人を見ると、一人はリボンで、もう一人は薄いベージュの肌、黒い隻眼、紫がかった黒いストレートロングヘアー、グラマーで中肉中背、黒いゴシックドレスを着た小悪魔で神秘的な女性でした。
「うちの方が女度高いんだから!」
「私の方は正真正銘の女。貴方はオカマじゃない」
「シャドウとか言ったわね?うちと勝負よ!」
「ケンカっ早い所は男だわ」

「コレ、止めないと危ないんじゃない?」
「周りの人に迷惑が掛かりますものね」
「え?!でも、私達で止めれる…?相手、あのメッチャ強い人だよ?」
三人は止まってしまいました。
「言っとくけどね、女は乳の大きさだけじゃ無いんだからね!」
「胸の大きさも女のステータスよ。男性が求める『当たり前』が出来ないと女とは言わないんじゃない?」
「体型がセラフィみたいだからって、自慢するんじゃ無いよ!」
「貴方男性なんだから、セラフィになろうとしても限界があるんじゃない?」
「あの幼稚な女なんか、目指す訳無いでしょー!?」
「私だって、男に意地汚い女なんか尊敬してる訳、無いわよ」
「何であの女があんだけ男に人気があんの?意味分かんないわよー!」
「アレ、絶対性的な色仕掛け使ってるわよ。2.5次元国では禁じ手よ」
「何で、権力者はセラフィには甘いのかなー?バッカじゃないの!?」
「女も社会的権力が上げれる世の中になって欲しいわね。日頃から努力している女性達の思いを権力者は踏みにじってるわ」

「何で権力者の好みと言えば、セラフィみたいな巨乳とか女傑島のアイドルの様な未成年ばっかなのよー!?」
「それは、男の本能上、姿形で判断する脳の構造だからじゃないのかしら?」
「この二人の口喧嘩、長すぎー」
「野次馬が邪魔で通れませんわね…」
志那達は、シャドウとリボンの口喧嘩を呆れながら見ていました。
「ところでさ、女傑島って何処?」
「私も思った。女傑島って何?」
「私に聞かれても分かりませんわ」
志那達は、女傑島について知ってる人を探し出しました。
「あの、女傑島って何ですか?」
「女傑島は、可愛い女の子や美人な女性が住んでいる島の事だよ」
「女傑島は、別名、女アイドル島とも呼ばれてるな」
「女傑島に住むには、芸能人である事が条件だよ。客の大半は男」
野次馬の男性達は、嬉しそうに女傑島について話しました。

「女傑島…行ってみる?」
「暇だし、行ってみようよ!」
「男性は喜びそうですわね。男性の方々を誘ってみるのはどうです?」
「由里、梨々華。人少なくなって来たし、通れるんじゃない?」
志那達は、人だかりを後にして帰って行きました。
「女傑島の女、クッソ邪魔なんだけど!」
「ミソジニーは消えなさい。世の中の害悪よ」
「言ったな、万年独身の牛乳が!」
「牛乳は褒め言葉?」
「形が悪いだけの巨乳の事なんだけど?」
「巨乳は板よりかはマシよ」

「シリウスさん、買って来たよ」
志那達は、シリウスに買って来た物を渡しました。
「ありがとー!ホンマ感謝してるよー!」
シリウスは、買い物袋を見て大喜びでした。
「コレで全部だと思うんだけど…どう?」
「ちゃんと全部入ってるって!あ、そうそう。お礼渡さんとな」
シリウスは、お礼として女傑島のライブチケットをプレゼントしました。
「ちょうど、3枚あるから行ってき。今日は、ありがとな!」
シリウスは、そのまま帰って行きました。
「この世界って、色々タイミング良すぎですわね…」

11/25/2022, 10:30:57 AM