Ryu

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雨の音は嫌いじゃない。
気持ちがリラックスして、いつもと違う感覚に浸ることが出来る。
考えてみれば、晴れたり曇ったり雨が降ったり雪が降ったり、自分が生きる世界の装いがガラリと変わる訳で、かなり大掛かりな舞台装置が稼働してる。
これは、今日の舞台も演じ甲斐があるってもんだ。

六月は静かな雨の演出で、日々の暮らしも少し落ち着いたシーンが多くなる。
あまり閉じこもりがちになると、鬱っぽくなってしまうきらいがあるから、傘に落ちる雨音を聴きながら、通勤や通院や買い物といった日常を続けよう。
そしてそこで本来の自分を演じつつ、夜の緞帳が下りるまで、粛々と過ごしていく。

ワクワクが増えるのは、この梅雨の時期を越えた辺りからか。
夏が来る。夏休みがある。
いや、とはいっても、もはや海や山に行く訳でもなく、暑さに苦しむイメージの強い季節になってしまっているが。
そして、夏を満喫するギラギラしたキャラにはもうなれない。
やっぱり、雨音を聴いてリラックスしてる方が性に合ってるのかな。

いずれにせよ、毎年繰り返される季節の暗転の中で、自分の出番はまだまだ用意されているようだ。
役者としては子役から始まり、気付けば齢50の大ベテランとなったが、まだまだ幸せな家庭の父親として奮闘していくつもり。
偽りを演じるのではなく、本当の自分をさらけ出した演技で、いつかアカデミー賞を狙う。

雨の音は嫌いじゃない。
気持ちがリラックスして、こんな妄想に浸ることも出来るから。

6/1/2024, 9:46:55 PM