波切

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風鈴。固いフローリングの上。吹き出す汗。
弟たちと無言で転がっている。

「お腹空いたなあ」
「勝手に下おりてパン食べたらあかんかな」
「あかんよ。パパに怒られるやん」

日曜日はいつも、親たちは昼まで起きてこない。
お腹空いた、とでも言いに行こうものなら、父が「ガキの癖に何様や」と、苛立って壁や私たちを殴るから、みんなずっと苦しいくらいお腹を空かせて待っていた。
辛かった。
殴られたり、裸で放り出されたり、土下座させられたり殺してやると言われ続けることよりも、あの耐え忍ぶ空腹の時間は本当に辛かった。

これは創作の話じゃない。


遠い日の記憶

7/17/2023, 12:47:31 PM