心の境界線
子供のとき、たまに不安になった。
この世界は実は全部嘘で、友達や親、周りの人達は実は宇宙人なんじゃないかと。
明日目が覚めたらなんにもなくて、真っ白の世界にいるんじゃないかと。
世界というものもなくて、完全にただひとりぼっちででどこか漂ってるんじゃないかと。
現実は違った。
朝起きたら普通に朝ごはんを食べて、学校に行くのだけど。
大人になってもその感覚が、ふと戻ってくる。
でも、当たり前だとも思う。
私は私でしかなく、他の人や生き物の気持ちになることはできないのだから。
心に境界線があるなら、それは私と私でない全て。
私が特別だとかそんなんではない。
誰も他の人になれないし、うさぎにも、蜂にも、蟻にもなれないのだ。
うさぎ、蜂、蟻の気持ちだってそれぞれ違うだろう。
一人一人、1匹、一頭。一羽、一体。
勝手に人がつけたくくりで呼ばれているが、彼らにしてみればそれも違う。
この世界はいびつだ。そしてそれでできている。
11/9/2025, 3:12:01 PM