自転車で坂道を下る。涼しい風に吹かれ、地球温暖化による暑ささえもうどうでも良くなる。すると、坂道に建ち並ぶ家屋からチリン、という音が聞こえる。夏だ。ふと、そう思った。
そういや、風鈴の音は聞くと涼しくなるという効果があるそうで。初めて聞いたときは日本人すげー、なんて思ったものだが、今となっては風鈴の音よりもカラカラと乾いた暑さの中に吹く風の方が大切に思える。だって、「聞くと涼しくなる音」よりも「皮膚で感じられる涼しさ」の方が熱中症にならないんだもの。皮膚に突き刺さる紫外線が熱くて痛いし。
しかし、風鈴の音は風情を感じられるので良い。「日本の夏ってこれだな」とぼんやり思う。つまり、風鈴の音は特別だ。夏も涼しさも感じられる、特別な音であるということだ。うん、とても良い。
7/12/2025, 2:46:57 PM