「雪、今日はクリスマスだな」
「あぁ……そうだっけ」
寝る前、何気なく交わす言葉。布団の上で、頭をぼーっとさせながら最近のことを思い出した。
朝起きて、仕事に行って、家に帰って、寝る。毎日がなんだか作業のようで、日の流れを感じ無くなっていた。
お兄ちゃんが教えてくれなかったら、今日はクリスマスということを忘れてそのまま眠ってたかもしれない。
「プレゼント、俺も欲しいなぁ」
「何か、欲しいものがあるの?」
「あぁ」
お兄ちゃんは豆電球を消して、私の隣で横になる。私も一緒に、横になった。お兄ちゃんの布団と、私の布団を比べると、お兄ちゃんの方が大きいけど、私の方がもふもふ。お兄ちゃんは、お金が無くて夏用の布団にくるまって寝てる。
「何が欲しいの?」
やっぱり、ふかふかの布団?
「うーん……内緒」
「なにそれ」
お兄ちゃんは、そういう所がめんどくさい。
ボソッとなにか聞こえたのは、きっと、気の所為だけど。
12/23/2023, 12:35:56 PM