【 身を蝕む純愛 】
「ふ、っ……ぐ……ッ」
まだ夜は明けていない薄暗い部屋の中、自分の声だけが聞こえる。苦しみ、痛みをこらえる声。
禁術を犯す度、痛みが増してゆく。手が震え、死んだ神経に激痛が走る。痛みで気を失いそうになる。が、それも痛みで目が覚める。
何故、ここまでするのか。そう問い出す人もいるだろう。
ソーサラースプリームだから、世界を救う為だと勝手に思い込む輩もいるだろう。
否、私はただ彼女が幸せでいられるために……
彼女を守れたら、まだ人間の私で守れたら…
私が死んでも悲しまないように、嫌われた。
傲慢な皮を被り、彼女を突き放した。
ぐちゃぐちゃな、
けれど、
優しい
醜く歪んだ純愛だと、
4/11/2023, 10:11:51 AM