NoName

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ベルが鳴った。
私の意識はすぐさま覚醒した
客を一番に迎えた誇り高い鍵守りの声は勇猛に溢れている
ああ 億劫だ 憂鬱だ
甲高い鐘の音が脳を直にさわっているようだ
私は覚悟をして自分だけの
世界から出ていかなければならない
無知を恥ずることなく
時間に囚われることなく
ありのままにいられる世界だったのに
私は重い腰を上げて玄関の扉を開ける
そこに立っていたのはありし日の私だった
情けない

12/20/2022, 5:20:41 PM