NoName

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「地球最後の日ってなったらさ、ぜったいお前といたいな。」

なんて突然いうから


  こたえられなかったよ






 でもごめんね、私は海月だから
あなたのお願いも叶えられやしないんだ。
 

 透明で何も考えられない私はただただ波にながされることしかできないから
みんなの言ったことを洋服のように身にまとって
その長い足を漂わせることしかできないから。
 
 でもねあなたのこと、大好きよ。

 海の生き物も陸の生き物も私に言葉を着せたがったけど
あなたは私をいろんな色にしてくれたもの。



 だけどもうね、もう時間がないんだって。
海の魔女が言ってた。

 月がにっこり笑ったらね、私は前よりもっともっとおおきな海月になるんだ。
また波にながされることしかできなくなっちゃうけど
私が海にとけて、私じゃなくなるまで、、

 



 私が本当のこと言ったらあなたも海に来るでしょ、?
私はそれを望んでないけどあなたはそれを望んでる。





 もしかしたらのお話なのにあなたが本当に来ちゃうから、怒りそうになった。
でも、ほんのちょっとだけほんとにちょっとだけ嬉しかった。

 いまからあなたと海に溶けるけど、世界の終わりなんかじゃないんだけど





「あなたってほんとにおばかなのね。
海の中なんだから目を開けたら痛いのなんて当たり前よ、」

6/7/2024, 1:36:37 PM