秋。それは紅葉の季節。緑で覆われた木々が、赤みを差し出してくる。銀杏の並木通りには黄色が差し込んでくる。そんな季節。
秋。それは芸術の季節。白いキャンパスには様々な絵の具たちが色彩の軌跡を残していく。そんな季節。
秋。それは読書の季節。涼しくなり屋外での読書が捗り、新たな知識を得ていく。そんな季節。
秋。それは運動の季節。室外を問わず、身体を動かし、筋肉を付けていく。そんな季節。
秋。それは収穫の季節。育ててきた様々な植物が実り、刈り集めていく。そんな季節。
秋。それは暑い夏が過ぎ去り、寒い冬を迎えるまでの僅かな一時。それを楽しむための季節。
万人共通として迎える季節なれど、様々なドラマが繰り広げられる。人それぞれのドラマが。
ありふれた日常なのか。ちょっとした非日常なのか。出会いか、別れか。
どれであろうと季節は変わらない。秋ならではのことは、出来事に対する些細なスパイスでしかない。
私の秋と貴方の秋は同じようで違うもの。同じ時だとしても、細部では異なりゆく。
埋まることの無い差をどうやって埋められるのか。感じ方がそもそも違うというのに。
どんな秋になるとしても、私は私の秋を楽しむだけ。それを邪魔させたりはしない。
誰かの季節を塞ごうとするなど、エゴでしか無いのだからーー。
9/26/2024, 11:16:25 AM