時間よ止まれ。
私は今幸せだから。
好きな人と結ばれたのだから。
だから、今この時のまま、私と彼の時間が止まってほしい。
お願い。
「胡桃、何で涙目なの?」
「えっ!私、涙目に見える?」
「見えるも何も、涙目だから…。なんか、悲しい?あっ、もしかして辛かった?
ごめん。優しく出来たかなって思ってたんだけど、独りよがりだったかな?」
そんな事ない。彼は優しかった。
何処までも何処までも優しかった。
今までのどの男性-かれ-よりも優しかった。
優しくて、幸せだった。
「和久のせいしゃないよ?和久、優しかった」
私は涙目になった目を拭きながら彼にそう伝えた。
「そっか。だったら、良かった」
少しの沈黙。
〜♫〜♫
何時もの音がなった。
彼は静かにベットからおり、軽くシャワーを浴びて服を着ていく。
もう、おしまいの時間だ。
「胡桃、バイバイ」
「またね」
そういうと、彼は帰っていった。
何処に?
彼とお付き合いしている彼女の所。
ホント、最低だ。
私も最低だけど、彼も最低。
それでも、この一時は幸せだった。
女性であることが、この時だけは良かったと思った。
私の恋に、終わりなんてない。
だから、終わらせるなら、貴方から終わりにして、何処までも身勝手でいさせて……。
好きなの。
最低でも、彼、和久の事が好きなの……、
9/19/2023, 10:16:40 AM