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ある古い書物の一節にて。

テレノ・セコという場所がある。ここは土地全体が旱魃にあり、乾燥している場所。
テレノ・セコというのは、「乾燥の地」という意味だ。

とくに「ノパル」という国ではその旱魃が凄く、水は手に入らない。
すると、動物も植物も育ちはしない。ただ、唯一サボテンだけは自生してくれているので、そのサボテンを原始的な方法で調理をして食べ物を確保していた。
その国は雨も雪も降らない。近くに川や海もない。
あるのは乾燥した場所がただ広がっているだけ、どこを見渡してもあるのはそれだけだ。

ある少女はこう思った「きっと明日も……」。
悲しい現実だ。

川は近くの国にある、ラクダに乗って1週間はかかるほど遠い場所だ。
だが、この暮らしは1000年で、終止符をうった。
あの日までは。
きっと明日に現れるのかもしれない、奇跡がある。

ー オリジナル小説・ドゥコ作中の書物ノン・ドゥカ・ドゥコから ー

9/30/2023, 10:21:05 AM