慌ただしい年末。
年始の準備。
買い忘れを見つける。
溜息をつき、夕暮れ激混みのスーパーに向かう。
レジも長蛇の列だ。
唇がカサつく。
リップを塗っても間に合わない乾燥。
早く家に帰らねばという焦燥。
バッグのポケットに戻したはずのリップがこぼれ落ちる。
「あっ、」
声を出している間に、前を並ぶ人に先に拾われ渡された。
「すみません。ありがとうございます。」
「あ。いえ。」
突然流れる時間が変わる。
「良いお年を。」
その人は先に会計を済ませ、にっこり笑って去っていった。
ふと、慌ただしさにのまれていた自分を恥じた。
12/31/2024, 1:38:24 PM