あれなんだろう?と寝転がっていた相方が空を指さした。
読んでいた本から目をはなし相方の指さした先を目で追うとひらりひらりと1枚の紙切れが舞っていた。
どこからか風で飛ばされて来たのだろうか?と見ているうちにだんだん高度を下げ公園内の芝生の上にパサッと不時着した紙切れ。
一応ゴミ扱いになってしまうので1番近くにいた自分達が拾いに行く。
「これ、御札?」
と相方が片手でひらひらさせていてよく見えないが、難しい字体で色々書いてある事を察するに御札なのだろう。
「なんの御札だろ?書いてある字も読めないや。」
とこちらに渡された御札は空を舞っていたせいか少し冷たい。
「御札や御札、元の持ち主の場所までおかえり」
と唱えてみる。
「なにその呪文?」
「ちょうど読んでた本に御札で助かる子坊さんの話が載っててね、御札に願いを込めて身代わりになってくれるんだよ」
と説明をする。
あれ?手に持っていたはずの御札が消えている。
「もしかして本当に持ち主の所に戻った?」
「いや、足元に落ちてる」
相方がまた拾い上げる。
御札を挟んで向き合って笑いあった。
(ひらり)
三枚のお札のオマージュ、御札飛ばされて残2枚になっちゃった子坊さん助かるかな?
3/3/2025, 12:43:43 PM