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お題:心の灯火



『だから、こんな作品じゃダメなんだよ。一回で理解してくれェ。』

夏休みが明けた小学校。
今は、俺の提出した自由研究の作品『世界の正しさとは』についてバカな糞尿持論で論破しようとする俺よりガキな担任の老人と話している。

「はいはーい」
『だからさァ…………』
「だから?」
『そもそも、こォんな学校で出せないような作品じゃなくてさァ…というか、小学生のする研究じゃないでしょォ…』
「それはお前の主観だろう?」
『というか、小4にしては精神年齢が高すぎるんだよォ。』
「お前みたいな大人がいるからな。」
『はァ…ともかく、これは校内のグランプリに応募させないからァ……』

それは困る。てめえみてぇな野郎が淘汰されずに残るというのは困る。
この正義感が歪んでいるとしても困る。

「じゃあ、お前は正しいのか?違うだろ。俺にとっててめえは悪そのものだ。象徴。」
『先生にソウイウ言動は…』
「ただ俺より老いてるってだけで好き勝手できると思うのか?ただ年齢が高いだけの輩には言われたくねぇ。」
『だからトモダチいないんだよォ?』
「これは、書き直す必要があるな…」
『そうだよ。こォんなチンチクリンな文章じゃなくてさァ…』
「いや、違う。お前は悪と追記しておかないといけない。言動の一つ一つは的を射れていないし、偏見が強い。偏見なんて偽善どころか善してない俺でもある消せないものだが、これまでの会話をしっかり聞けば、異常性がはっきり解る。」
『ハァ?』
「要約すれば、てめえは偏見まみれで罵倒しかできない善ぶった悪ってこった。てめえみてぇな老害にはこういう冊子の必要性がわからねえだろうが、こういうもんが今時の若者に必要とされてんだ。」
『老gwzwsでえdっrっfrtgっtgっyふうじこlっpっわ○xsrgtrんmk』
「その程度の語彙で莫迦が言えることではねえ。」

これで皆の心の灯火が点くといい。意見がまともにない、流されるだけ流される無能な奴ではなく、ちゃんと自分の意志がある奴が増えてくれるだろう。

9/3/2023, 12:23:21 AM