風でチラッと見えちゃった。
別に見ようと思ったわけじゃなくてただただ視界に入ってしまっただけだ。………灰色だった。
俺が着てる服だって同じ布なのに何でアレを神聖視してしてしまうんだろう。
きっと全男子がそう思う。特に思春期を拗らせて女子との接点が殆どない奴はな。……そうさ俺だよ。
学校ではそこそこに男友達ならいるし「アレ」のことなんて頭から抜けてた。
でも家に帰ったら思い出したように紐を手繰り寄せてしまって、頭から離れなくなった。
…灰色だった。女子って白しか履かないのかと思ってた。…でも灰色…いいな…。でも白も…。何なら何もなくても……。
…キモいな。我ながらキモい。ただでさえ女子に話しかけて貰えないのにもっと話しかけられなくなってしまうではないか。止めよう。……。
頭からは離れない。…そして身体が疼き始めた。俺だけじゃない。男子は全員通る道だ。…女子だって何人かは通るだろ…。
……やるか。衣服を乱し、物を露わにし、………。
「…ついに、やってしまった…。」
勿論快感はあったが、それよりも後悔、懺悔が勝った気がした。…いや、これもまた背徳感か……。
いや、俺のせいじゃない。だって全員通る道だ。恥ずかしいことではない。やったことない人なんていないはずだろ。
頭の中を言い訳が駆け巡る。
「……風のせいだ。」
そう、あの風さえなければ。あんな布何かに俺が取り憑かれなくて済んだんだ。
「風のいたずらってやつか…。」
1/17/2025, 1:42:25 PM