NoName

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自分で決めた道。
だから、忙しくても弱音なんか吐いてる暇はなくて。
必死で頑張って、寝ずに考えて、できる限り要望に答えて。
そんな日々が、正直、辛かった。

そんな時、あいつは言った。

”踊りませんか?”と手を差し出して。

あいつに連れ出されて、久しぶりに繰り出した街は、明るくて、賑やかで、楽しかった。

ずっと忘れていたなにかが、ようやく解った気がして。
ずっと掴みたかったなにかに、やっと届いた気がして。

”踊りませんか?”

それは、あいつだけが使える魔法の言葉。

狭くなった世界から俺を連れ出してくれるあいつの、ちょっと不思議な誘い文句。

さてさて、次はいつ誘われるんだろう?




踊りませんか?

10/4/2023, 11:41:45 AM