輝ける未来を焼き尽くし
慟哭する屍を踏み越えて
震える細腕で天を狩り
亡者達の声を背負いながら、あなたは一人
世界を照らす導きの星となった
それは美しい物語
残酷な運命に打ち克つ、選ばれた犠牲
ご都合主義の与太話
世界はあなたを呑み、生き長らえて
そうして忌々しい平和を浪費する
当然のように、私も
沸騰する怒りも、胸を穿つ哀しみも
まるで仕舞い込んだ玉匣
いつしか額に収まる記憶
遠く識る彼方の夢へと成り果てて
老いた体では旅立てず
凪いだ心には何も集わず
遥か栄光は雲を掴むように拡散する
こうして今日も、私は一人
地に縫い止められて、ただあなたを見上げるのみ
あなたの旅路を這って綴る
(軌跡)
4/30/2025, 12:39:52 PM