中学から追っかけていた バンドの
コンサートに行くために 僕は 遠い街へ来た
満員の新幹線 誰もがどこかに向かっていた
◇
横断歩道 目線を交わすことなく すれ違う人
混んだ電車の中 ふと目があって逸らした人
駅の料理屋の隣で 「旦那が死んで半年経つけど
いまだに涙が出る」と話していた人
◇
いよいよ会場が近づく
同じ柄のタオルは 同じ音楽を聴いてきた証
だからといって 声を掛け合うわけじゃない
同じ場所に集い 音に踊って 誰もが人生を振り返る
◇
でもそれが終われば 僕も周りもただの人
二度と会うことは 多分なくて
それでも それぞれが人生を紡ぐ
◇
横断歩道 すれ違う人
目線交わすことなく 違う世界へ向かっていく
2/28/2024, 12:49:23 PM