鶯になりたかった鳩

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中学から追っかけていた バンドの

コンサートに行くために 僕は 遠い街へ来た

満員の新幹線 誰もがどこかに向かっていた



横断歩道 目線を交わすことなく すれ違う人

混んだ電車の中 ふと目があって逸らした人

駅の料理屋の隣で 「旦那が死んで半年経つけど

いまだに涙が出る」と話していた人



いよいよ会場が近づく

同じ柄のタオルは 同じ音楽を聴いてきた証

だからといって 声を掛け合うわけじゃない

同じ場所に集い 音に踊って 誰もが人生を振り返る



でもそれが終われば 僕も周りもただの人

二度と会うことは 多分なくて

それでも それぞれが人生を紡ぐ


横断歩道 すれ違う人

目線交わすことなく 違う世界へ向かっていく

2/28/2024, 12:49:23 PM