「今日は休みだよ、どこ行こっか〜?」
俺の妻がニコッと笑顔で笑いかける。
「そうだな、クリスマスだしね、折角」
俺は頷いて答えた。
妻も俺も今日から有給消化週間とかで、早めの休みを取っていた。
同じ会社ながら、夫婦は他部署になるので、平日はなかなか一緒の時間が取れない。
特に俺の部署は残業が多くて、久しぶりの二人でゆっくりできる平日だった。
「買い物でもいこっか〜?新しく出来たモールに行きたいな」
妻のお願いに、俺はもちろんオッケーし、俺達は車で、新しく出来たモールに向かう。
妻は、少しおめかしして、気合を入れて化粧していたみたいだ。
いつもより綺麗だし、髪もアップにして、バレッタで止めていて可愛い。
「似合うね、綺麗だよ」
と言うと柄にもなく、顔を赤くしてうつむいていた。
そういう仕草も妻の魅力だと思っている。
モールはクリスマスとあって混んでいた。
平日だけど、大学生なんかはお休みなんだろう。
俺と妻は服を見たり、雑貨を見て回ったり、本屋さんを覗いたりして過ごした。
少ししてカフェに休憩に入った俺達。
妻は、ニコニコして、頼んだシナモンラテを手にしている。
「どうしたの?ご機嫌だね」
俺が声をかけると、
「そりゃ、そうだよ、久しぶりのあなたとのデートなんだもん」
微笑みかけられ、俺の鼓動も早まる。
「結婚前のこと、思い出しちゃった。学生時代は、沢山デートしたよね」
そう話すとシナモンラテを、口に含む妻。
「そうだな。学生時代は、暇があれば会いたかったし、会えたしな」
俺が言うと、不機嫌な顔になる妻。
「えっ?今は会いたくないの?」
妻の膨れている顔も可愛いな、と笑顔でこたえる。
「そんな訳ないだろ。今日君と過ごせて俺は世界一幸せだと思ってるよ」
俺の言葉に、妻はとたんに機嫌を直して、
「えへへーそっかー」
と両頬に手を当てて照れているようだった。
その姿を見ていたら、俺の口から自然に言葉がこぼれる。
「もう、帰らない?」
「ええ〜なんで?」
妻の膨れ顔の頬に手を伸ばす。
「早く二人きりになりたいから」
俺の眼差しを受けて、妻は赤面する。
「あ、う・・・分かった」
そうして、楽しいデートを楽しんだ俺達は、今度はお家でのんびりクリスマスの1日を過ごすことに決めたのだった。
12/25/2023, 11:20:44 AM