足り過ぎた贅肉

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最近、距離感がおかしい気がする。
ヴァンパイアハンターであるにも関わらず吸血鬼を助け、その使い魔のコウモリと喫茶店に行き、吸血鬼とはラーメン屋に通い、奴の屋敷で暖炉にあたって日々を送っている。
このままでいいのだろうか?
奴を殺してしまえばこの仕事も終わるというのに、奴が不死であるから仕事に終わりはない。
流石にヴァンパイアハンター協会のある街に居る妻の事も心配であるし、悩みどころだ。

そこに誰か喫茶店に入ってきた音がして、自分の座るボックス席に座って来た。
怪訝な顔をしつつ相手を見ると、すぐに相手の方から喋りかけてきた。
今日は口を火傷してないようだね。それと座ってからなんだが相席いいかい?あ、店員さん!『もはやお茶風味の牛乳的なミルクティー』1杯ちょうだい。アイツは一緒じゃないんだね。

そう一気に言った相手は、先日薬を貰った魔女だ。
この魔女も距離感が狂う勢いがある。
今の奴の具合や、心を見透かすようにオレの悩みを聞かれ思わず悩みを打ち明けてしまった。

そりゃ、協会が悪いね。不死なんだから殺せない。それをこんな若い奴に押し付けるなんてね。協会のお偉いさんに薬盛ってやろうか?
ヒヒヒっと笑う様な仕草をしながら自分の悩みに共感される。

全く、不思議と引き込まれる距離感の狂いが怖い。
(距離)

ハンター君、チョロいくらい自分の事話しちゃうから付け込まれてるんじゃ?

12/1/2024, 10:21:36 AM