蓼 つづみ

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一度も経験したことのないものを見て
懐かしく思う気持ちはなんだろうね。

デジャヴともセンチメンタルとも少し違う。

血に刻まれているのかな。

穏やかに揺れる木々、曲がりくねった道。

沈む夕日が、
少し傾いた屋根の向こうへと溶けていく。

そこに立つだけで、胸の奥が少し締め付けられて、
柔らかな風にのった光の温度が、肌をかすめる。

知らないはずの景色が、
どこか体の奥で眠っていた記憶をそっと揺さぶり、
心の奥に淡い朱を落としていく。

題 沈む夕日

4/7/2026, 12:37:41 PM