木陰

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いつも使う机の棚、真ん中から少し左。そこに過去の日記帳を並べている。時々読み返しては、あ〜、自分変わってないな〜、なんて思ったりするのだが、ひとつだけ開く気になれない日記帳がある。一番最初の日記帳、私が日記を始めたキッカケになった黒いノートだ。
あのノートに文字を書き始めた時、私の心は大量の毛虫の死骸が転がっているような不快感を纏っていた。こんなしょうもないことであの人と離ればなれになるなんて、有り得ない。どうか悪い夢で終わってくれ。そんな願いも虚しく、しょうもないことでその人との縁は切れた。そこからその黒いノートは、まるで本物のデスノートのようになった。人を呪う趣味はない。ただ、自分の感情に整理がつけられなかった。
今でもあのノートをじっくりと見返す勇気は無い。相手も相手だったが、めちゃくちゃに羅列されている怒り狂った感情は、あまりにも未熟で、泣き喚く3歳児のようで、見るに堪えないのだ。そんなわけで、私の最初の日記は、未だ閉ざされたままだ。

1/18/2024, 12:51:17 PM