人は待ち望んでいたものが訪れるときに、胸が高鳴る。胸が高鳴るのは、その体験が自分にとって初めてのものだったり、珍しいものだったりするからで、ある意味「非現実」を味わうのを私達が期待するからである。人間は何より刺激を求める生き物だ。
しかし一度それが日常化してしまうと、私たちはその状態に慣れ、胸が高鳴るどころか、些細なことにもがっかりするようになってしまう。それは強欲という以前の問題で、とても不愉快なことである。あの胸がいい意味で締め付けられるような感覚は本当に堪らない。
一瞬一瞬が最後だと思うようにして、その「思いがけない日常」に日々胸を高鳴らせたいものだ。
3/19/2024, 9:14:54 PM