細言

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『凍てつく星空』
手を伸ばしてしまうから、僕の手は赤くなってしまった。冷たい空に曝され、霜焼けで燃えそうな手を引っ込める。あなたはいつしか、何光年、何十光年先の星になってしまった。いくら手を伸ばしても、それは無意味で。冷たく、消えない傷を背負ってしまった。
ベランダから離れ、暖房の効いた部屋に戻る。指先が解凍されていくように、指先の氷が溶けて僕になっていくように。何もする気が起きなくてベッドに転がる。感覚が戻ってきた指でスマホをいじって、つまんなくなって目を瞑る。
君がいれば、もっと暖かかった。もっと近くて、それはもう、太陽のようで。近くにいると、爛れそうで、昇華して死んでしまいそうで、でも、それでも良くて。
ああ、こんなこと考えると、外は一層冷え込んでしまう。外に出たらきっと、君には会えなくなってしまう。冬が明けて、春になる。雪が溶けて、溶けかけた僕が君に会いにいく。自我にしがみつく僕を、どうか抱きしめて、愛して、溶かして欲しい。
もう、寒いのは嫌だから。

12/1/2025, 4:51:51 PM