蒼月の茜雲

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“テーマ”もしも未来を見れるなら

明日別れる恋人が、ふとボクに
「ねぇ、将来子供…何人くらい欲しい?」
そう言ってくる。

勿論、彼女は、明日ボクと別れるなんて
全く思っていないだろうから
そんな事を言うんだろう。
そして、そもそも〈ボクと彼女の子供〉とは一言も言っていないわけで。
「何人も何も…コウノトリが運んで来るものだからね」
そう告げる。
勿論、実際にコウノトリが運んでくる事では無い事は知っているし
どうやって子供が出来るかは知っている。

ただ、いわゆる子作りをした所で
100%子供が産まれてくる訳でもない事も知っている。

だからこそ、コウノトリと言った。
「じゃあ、もしも、今、アタシのお腹に、子供が居るとしたら?」
彼女は、微笑む。
すごく綺麗な笑顔だなと思う。
「おめでとう。誰の子?って言う。」
「誰の子でも良いのよ。アタシが愛した人の子だから。」

もしも未来を見れるなら
彼女が誰との子供を生むのか
その子供が育って誰に似ているのか
分かる日が来るのか…なんて思ったりする。

でも、ボクと彼女は明日別れる。
それは変えようのない未来。
ボクにだけ見える未来。

彼女は、ボクに気付かれないように
「でも、1番愛してる人との子供は産まれないのよね…」
そう呟いていた。

4/19/2023, 4:40:31 PM