フォンリー

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【ゲシュタルト】

木が軋む音が聞こえる
あぁ、朝だ。

母が私を起こしに来る
ぽつりと呟いた。
「いやだな」

部屋に入るなり怒号が飛んできた。
いつまで部屋にいるの
早く出てきなさい
もう朝よ。

、、、五月蝿い

私に父は居ない
前は居た
彼は小さい頃から私を奴隷として扱っていた。
もう3年も前になるのか
下の処理をずっとさせられていた。
当時中学生だった私にはとても受け入れられなかった。

あの時私は母に助けを求めた
母は私に侮蔑と嫉妬の入り交じった視線を向けて殴ってきた。
そう。
母はあいつに夢中だった

あいつは他に女を作って出ていった。
私と母は捨てられたのだ

母は私のせいだと常々言ってくる。
煩わしい

朝と昼は母からの暴言と暴力に襲われ、
ここには居ないあいつの亡霊に毎晩襲われる。

!!

今日はそんな夢は見なかった
今日は暴言のアラームも無かった
とても不思議だ。
1階の居間へ行くと母と見知らぬ男が居た
「あぁ、○○ちゃんだね。話は聞いてるよ」
母の新しい男だった
綺麗なスーツにキチッと整えられた髪
聞けば警察官らしい

そこから生活は変わった。
私には父ができた。
今まで出来なかった事を全部一緒にしてくれた。
遊園地へ行ったり
旅行をしたり、
一緒に買い物をしたりもしてくれた。

あー、たのし





「、、、夢か」


、、、、、、、、、、、涙がおちた

5/27/2024, 12:29:13 PM