「寂しさ」という言葉は国語辞典には載っていない。代わりに「寂しい」という言葉が載っていた。考えてみれば当たり前で「嬉しい」「嬉しさ」だとか「書く」「書けば」だとか未然連用終止連体仮定命令全てを載せると国語辞典が東大の赤本くらいに厚くなってしまう。
ここで考えたい。「寂しさ」と「寂しい」の違いってなんだろう。例えば、「大きさ:100メートル」は度合いだけれど、「大きい」は感想みたいな。「寂しい」という言葉にも、その違いはある。ただ、もっと深いところで決定的に違うものがあると思う。
……そう、「寂しさ」は何処か他人事なのだ。「寂しさを感じる」これは小説やアニメで入るナレーション。でも「寂しい」というのは、完全に感じた人の感想。生の声。そんなイメージを抱かずにはいられない。
「寂しさ」などという、他人からのイメージ、そんなものに踊らされてはいけない。「寂しい」という、現場の本当の姿だけを信じることが大切だと思う。
12/19/2024, 10:15:47 AM